第103回全国高校野球選手権(8月9日開幕、甲子園)を目指す南北北海道大会の組み合わせ抽選が8日、ホテルライフォート札幌と旭川市市民活動交流センターで行われた。南大会(17日開幕、札幌円山)では、5年ぶり出場の小樽双葉が初戦で今春全道8強の東海大札幌と対戦する。コロナ禍で平日の練習時間が短縮されたため、グラウンド内で守備と打撃を同時進行。効率的な練習で培った集中力を武器に初勝利を狙う。北大会(15日開幕、旭川スタルヒン)では13年ぶり1勝を目指す北見柏陽が、初戦で旭川工と対戦する。

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小樽双葉がアイデア練習で磨いた力を、円山の舞台で発揮する。秋全道は16年に1勝も、夏の過去1度の16年出場時は初戦敗退。主将の石井冠三塁手(3年)は「自分たちができることをしっかり試合で出して、目の前の相手に全力でぶつかっていきたい。何とか僕らの代で、初の勝利を挙げたい」と意気込んだ。

コロナ禍にも屈せず工夫をこらしてきた。対外試合は5月6日が最後。それ以降、平日の練習時間は午後4時までと校内ルールで定められた。14時半に授業が終わり、与えられた時間は約90分。長谷川倫樹監督(38)は「守備と打撃を別にやっていたら時間が足りない」と、グラウンド内で攻守を同時に行う作戦に打って出た。

守備ノックは3カ所。三塁側で一塁と三塁手、二遊間で二塁と遊撃手、左翼側で外野手がノックを受け、右翼側では、しっかりネットで囲まれた中で打撃練習を行う。各グループ4人ぐらいで回すことにより1人の練習量もアップ。石井主将は「全体の時間は減ったが、打撃も守備も1人に回る間隔が短く集中力は増した」と効果を口にした。

独特な練習法が功を奏し地区2戦計27安打16点。南大会16代表で2位タイの1試合平均13・5安打で勝ち上がった。18、19年夏は同じ小樽地区の北照が甲子園出場。石井主将は「1つでも多く勝って小樽は北照だけじゃないというところをアピールしたい」。まずは1勝で、勢いを付ける。【永野高輔】