大会5連覇を狙う第1シード仙台育英が開幕日の初戦(2回戦)を制し、3回戦一番乗りを決めた。古川黎明に11-0の5回コールド。6番秋山俊外野手(3年)が大会1号3ランを含む3安打4打点と活躍。投げては2年生左腕・斎藤蓉が毎回の11奪三振2安打完封で勝利に貢献した。

絶対王者の仙台育英が下馬評どおりの力を発揮。県内公式戦43連勝で5大会連続の甲子園出場に向けて好スタートを切った。1回、失策がらみで1点を先制した後の2死一、二塁。秋山が3-1からの5球目を豪快に右中間席にたたき込んだ。高い修正能力を披露。初球の大飛球が右翼ポール外側に切れた秋山は「真ん中、高めの真っすぐ。(初球は)タイミングが早かったのでちょっと遅らせました。完璧でした」と昨秋の東北大会決勝以来の公式戦3本目、高校通算11本目を振り返った。

8強入りした今春センバツの5番から6番を任され、結果を出した。須江航監督(38)は「自由に打たせたかった。長打力はピカイチ。正確性(打率)も上がってプロに行ける可能性はチームで一番高い。足も速く肩も強く上林に迫る」と同校OBのソフトバンク上林誠知(25)にイメージを重ね合わせた。

50メートル走6秒1の俊足。プロ志望の秋山は「打率を残して塁に出れば足も生かせる。優勝に貢献できれば道は開けてくる」と野球人生を突き進む。【佐々木雄高】

<左の切り札>

仙台育英のチーム開幕投手を任された斎藤蓉が主戦の右腕2投手に続く「左の存在感」を示した。初回から5者連続三振。5回にセーフティーバントを含む2安打を許したが、ストライク先行のテンポのよい投球で5回1死まで完全ペース。須江監督は「無四球だったのでほめてやりたい。ジョーカーになる」と左の切り札として期待した。