昨年7月に熊本県南部で豪雨被害にあった芦北は、1回戦で宇土に敗れた。6回までに8点を献上。7回に2点を返してコールド負けは免れたが、大量失点が響いた。先発右腕の浜田朝陽投手(3年)は「自分が先制点を取られなければ…」と涙にくれた。

1年前の熊本豪雨で近くの川が氾濫し、グラウンドが浸水。主将の浜本葵内野手(3年)も「ぼうぜんとするしかなかった」と、当時を振り返った。野球道具を保管していた小屋も横倒しになったが、県内の高校からボールやバット、ヘルメットの支援を受けた。同校OBで、現在は中日で編成部長を務める松永幸男氏(55)からも野球道具を贈られた。芦北ナインは「感謝の夏」と記された額をスタンドに飾り、額のもとで汗を流した。

浜田は「最後までみんないい声を出したり、いいプレーをした。自分たちのスローガンである『感謝の夏』にできたと思います」と涙をぬぐった。