福岡大会3回戦1試合が15日、小郡市野球場で行われ、01年以来2度目の夏甲子園を目指す九産大九州は6ー2で福岡第一に快勝した。ソフトバンク工藤公康監督(58)の投球フォームを手本にする最速136キロのエース左腕・古川雄大(ゆうた)投手(3年)が投打に活躍。2失点完投&2打点で貢献し、17日の優勝候補・九州国際大付戦へ弾みをつけた。

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九産大九州の“工藤2世”が、投打の活躍で4回戦進出に導いた。

エース古川が9回2死で最後の打者に投じた126球目。渾身(こんしん)の力で、決め球の内角直球を投げた。中飛に打ち取り、雄たけびを上げた。プロ通算224勝の工藤監督ばりに、ゆったりしたモーションから緩急で勝負。8回2死満塁も内角直球で右飛に仕留めるなど強気で攻めた。

12日筑紫戦の7回3安打無失点に続き、夏の甲子園準優勝の実績もある福岡第一を7安打2失点完投。打っては、0ー1の2回2死満塁で直球をとらえ、逆転の右前2点適時打を放った。

小学校高学年で、父政弘さんに「フォームをまねてみないか」と、工藤監督の投球フォームを勧められた。以来、ゆったりしたフォームから投げる鋭いストレートや、キレ抜群のカーブの動画を見るなどして参考にし、まねてきた。最速は今春の130キロから6キロ増。100キロ台の“工藤カーブ”を軸にスライダー、チェンジアップも交える。

ただ、高校卒業後は「この大会でやりきるつもりです。大学で野球はしない」と言い、野球人生に一区切りつける予定。だからこそ、中1日で臨む九州国際大付戦も死力を尽くす決意だ。「倒すしかない。ピンチは多いと思うが緩急を使い、仲間を信じて粘り強く投げたい。変に気負わず力のすべてを出して勝ちたい」と気合。森崎哲哉監督(62)も「(九州国際大付戦も)エースで行くつもり。古川で負けたら仕方ない」と期待を寄せた。【菊川光一】

◆古川雄大(ふるかわ・ゆうた)2004年(平16)1月13日、福岡・宇美町生まれ。大川小3年から戸原ジュニアファルコンズでソフトボールを始める。3歳から小5まで水泳も習う。粕屋東中野球部では3年で県大会準優勝、九州大会出場。九産大九州では昨秋からエース。175センチ、73キロ。左投げ左打ち。