県内屈指の進学校、船橋(千葉)の本橋隼人外野手(3年)が文武両道の“二兎追う流”でサイクル安打を達成し、チームを21年ぶりの5回戦進出に導いた。

10-4で迎えた6回。1死満塁からアウトコース直球を捉え、右中間に運び3点適時三塁打に。三塁コーチにサイクル達成を告げられ、ガッツポーズを突き上げた。千葉大会では18年夏、木更津総合の野尻幸輝内野手(現法大3年)、東京学館の大野駿外野手(現東日本国際大2年)以来の記録に「サイクルは気にしていませんでした。なかなか人生でできることではないのでうれしいです」と話した。

狙い球を見極め、積極的に振りにいき、ボール球は振らない。第1打席はチェンジアップを三塁内野安打に。第2打席はスライダーを左越え2ラン。第4打席にはスライダーを中越え二塁打。直球に変化球にと自在に対応し、試合の流れを読みバットを振った。

学校のスローガンのひとつに「船校生たる者、二兎を追え」という言葉がある。本橋は学内でもトップクラスの成績。現在は医学部進学を希望し、練習が終わる夜7時から10時までオンラインで塾の授業。「両方ともやり遂げることで、成長する」と手を抜かない。新たな道を目指し、高校で野球は終える。甲子園出場を目指し完全燃焼の夏を誓う。【保坂淑子】