「松井キラー」として名をはせた元阪神の遠山昭治監督(53)が率いる浪速が今宮に5回コールドで勝利した。

「生徒が一生懸命打ってくれたおかげ」と同監督は13安打14得点で快勝した打線をねぎらった。「コロナ禍だが、保護者やOBの前で浪速の泥くさい、最後まで戦う野球を見せられた」と、ナインを称賛した。

先発した2年生エース松本翔太投手は現役時代の遠山監督と同じく左腕。投手板の最も一塁側から右打者の内角を鋭くついた。「入学当初は(投手板の)真ん中から投げていた。それを監督が自分の投球スタイルを見てクロスファイアに、一塁側から投げてみるようにアドバイスをくれた」。左腕の強みを生かすための助言だった。さらに松本は「遠山監督がいるからこの高校に入った」と明かし、「監督が盛り上げて試合の雰囲気をつくってくれる。チームでは一番のムードメーカーですよ」と指導以外でも頼れる存在であるようだ。

浪速は23日、信太-阪南大高の勝者と3回戦を戦う予定。

◆遠山昭治(とおやま・しょうじ)1967年(昭42)7月21日生まれ、熊本県出身。八代一(現秀岳館)から85年ドラフト1位で阪神入団。1年目の86年に8勝。91年トレードでロッテ移籍し、95年には野手転向。98年阪神に復帰して登録名を「奨志」と改め、再び投手に。99年63試合に登板しカムバック賞。02年引退。通算393試合、16勝22敗5セーブ、防御率4・38。左投げ左打ち。