天理が14安打15得点を挙げ、6回コールド勝ちで県8強に進んだ。序盤から着実に得点を重ねた。先発は今秋ドラフト上位候補の達孝太投手(3年)が務めたが、4回3失点と本調子ではなかった。1回から速球が上ずって制球を乱し、無死満塁で右前適時打を浴びた。その後は持ち直して投球したが3回も制球が定まらず2点を失った。

達は「左足がつくタイミングがまったく合わなかった。0点でした」と話した。この日の最速は144キロだった。

5月中旬に右肘の違和感があり、調整ペースを落としていた。別メニューになったこともあり、今夏の奈良大会では森田雄斗投手(3年)が背番号1をつけ、達は背番号11になった。チームの大黒柱として期待される存在だ。それだけに中村良二監督(52)は「欲を言えば、もっとちゃんと投げてほしかった。しょせん11番。あんなものでしょう」と手厳しく振り返った。

達は3月のセンバツで自己最速148キロをマークするなど活躍し、全国に勇名をとどろかせた。同29日の準々決勝・仙台育英戦で左脇腹を負傷したが、リハビリをへて、着実に状態を上げてきた。この日は阪神や巨人など複数球団が視察して、注目の的でもある。

夏の甲子園出場に向けて、調子を高めていく。