立命館慶祥・島山大輝三塁手(3年)は最後まで笑顔を絶やさなかった。0-4と引き離された2回2死二塁、左中間を真っ二つに破る適時二塁打を放ち、塁上で力強く右拳を突き上げた。17日の初戦(駒大苫小牧戦)は13安打11得点で快勝も、自身は1四球3三振。「打った瞬間、すごく気持ち良かったです」。初めての南大会で放った安打はこの1本。思いが詰まった一打だった。

父浩一さん(53)は宮崎の強豪、日南学園の元投手も、甲子園には届かず卒業後、社会人野球の王子製紙でプレーした。「朝出発するとき父に『笑顔で楽しんで来い』と言われた。甲子園には届かなかったけど、最後まで笑顔でプレーできた。親孝行できたと思う」。4回1死一塁の三塁守備では鋭い打球を冷静にさばき併殺につなげるなど、守りでも奮闘した。

4きょうだいの末っ子。OBの長兄雄光さん(29)、次兄知房さん(28)も果たせなかった聖地への夢を果たすため同じ高校を選んだ。島山ファミリー最後の挑戦はかなわなかったが「つらいこともあったけど監督に『お前を主将にして良かった』と言われ、やってきて良かったと思った」。最後の夏、最高の思い出ができた。【永野高輔】