初の甲子園切符へ王手をかけた。秋田南が5-3で秋田商に競り勝ち、6年ぶりに決勝進出を決めた。

最終学年として、先輩の自覚があった。3-2の5回1死満塁。3番手で背番号11の岡本星琉(ひかる)投手(3年)がマウンドに向かった。6番打者に同点適時打を許したが、6回以降は3安打無失点の好投。最後の打者は直球で投ゴロに打ち取り、両手を突き上げナインと喜びを爆発させた。「自分の前に2年生が投げてくれていたので、絶対に抑えて勝つぞの気持ちで投げた」。先発したエース塚田将正投手(2年)が4回を5四死球1失点、2番手の中山蓮翔投手(2年)は1/3回を2安打2失点で降板。下級生投手のためにも力投した。

チームを決勝へ導いたのは、5番下間拳真(けんしん)外野手(3年)の一振りだった。6回無死一塁。カウント1-1から内角スライダーに反応。打球は左翼ポール際へ飛び込み、決勝2ランとなった。「真っすぐ狙いでしたけど、体が反応してくれた。公式戦では高校初本塁打です」と笑顔で振り返った。

夢舞台まであと1勝だ。決勝(23日)は最速157キロエース風間球打(3年)擁する第1シードの明桜と激突する。石川聡監督は「速い球を打つ練習はしてきている。学校の歴史を変えるために甲子園の扉を開きたい。自信を持たせて、選手を送り出したいと思います」と最終決戦へ決意をにじませた。世代最速右腕を打ち崩し、初の甲子園切符を手にする。【佐藤究】