ノーシードの東海大静岡翔洋は、第3シードの浜松工に逆転勝ち。2番手のエース鈴木豪太(3年)が、完全救援で流れを引き寄せた。

鈴木は最後の打者を三振に打ち取り、「まだ原(俊介)監督と野球ができる」と、安堵(あんど)した。3点差を追いついた直後の6回に登板し、4イニングを打者12人で完璧に抑えた。8回には、3者連続奪三振。緩急を駆使した快投で、味方の攻撃への機運を高めた。

その裏、2番小中翔天(とあ)内野手(3年)が、流れに乗った。1死二塁で、左翼への決勝適時三塁打を放った。5回には、同点としてなお2死三塁で打席に入るも三振。「前の打席のこともあったので、気持ちで打ちました」と胸を張った。

執念の逆転劇を見せたナインに、原監督は「これまでは先制されると弱く、その点を意識付けてきた。夏本番に成果を発揮してくれてよかった」と満足げ。24日の準々決勝・桐陽戦は、2016年の就任以降、自身初の夏4強入りが懸かる。「今のチームなら、堂々と戦える」。教え子たちへの自信を示した。【河合萌彦】