近畿大会の覇者、大阪桐蔭が危なげなく3回戦を突破した。

7球団のスカウトが見つめる中、1回から打線が爆発した。2者連続四球の後、主将池田陵真内野手（3年）が中前安打。2死満塁から6番・野間翔一郎（3年）が走者一掃の中越え適時二塁打で3点を先制、野間も相手の送球エラーの間に50メートル走5秒7の俊足を生かし生還。一気に4点を奪った。4回にも野間のバットで追加点を奪う。2死一、二塁から右越え適時三塁打を打ち、計5打点の活躍で勝利に貢献した。野間は「みんながチャンスを作ってくれた。ランナーをかえそうという気持ちでした」と話した。西谷浩一監督（51）は「勝負強いし、粘りがある。1番でも6番でも出来るし足もある。野間のスピードが脅威になるようにしたい」と話した。

大阪桐蔭打線について西武前田俊郎スカウトは「全体的に打線のバランスがとれている」と評価した。

5打点を挙げた野間の持ち味は並外れたバネとスピードだ。その能力は小学生の頃から垣間見え、リレーのアンカーではごぼう抜き。中学校では外部のリトルリーグで野球の練習をしながら、体育教師のすすめで陸上部に入部。野球の練習のない月、金曜日のみの週2回だけで、山口県の陸上大会の3段跳びで3度の優勝をした経験を持つ。野間の憧れの選手はOBのロッテ藤原恭大外野手だ。中学3年生の頃に大阪桐蔭の練習を見学し、藤原のスピードとパワーに衝撃を受けた。「憧れの存在です」と笑顔で話した。

ドラフト候補の最速150キロ左腕・松浦慶斗投手（3年）は終盤にかけて起用予定だったが、コールド勝ちで終わったため、登板は持ち越しとなった。西谷監督は「本人もうずうずしていると思う」と話した。

大阪桐蔭は春のセンバツ1回戦で智弁学園に6－8で敗戦し悔しい結果に終わった。甲子園の悔しさを夏の甲子園で晴らすために、まずは大阪の頂を目指す。