<高校野球山梨大会:日本航空2-1富士学苑>◇23日◇決勝◇山日YBS球場

富士学苑の選手たちは、笑顔でグラウンドを後にした。春夏通じて初めての甲子園出場には、あと1歩届かなかった。志願して完投した河村大翔投手(3年)は「悔しい気持ちもあるけど、うれしくて、楽しかったです」と笑った。

スタンドには「常笑」の横断幕。チームのスローガンは「バカになれ」だった。いい意味でバカになって野球を楽しむ。8回のピンチで、マウンドに集まった選手から笑い声が生まれた。

「勝ったら、みんなでプロスピ(プロ野球スピリッツ)やろう。負けたら、『妖怪ウォッチ』やろう」

ゲームの話で盛り上がり、ほぐれた雰囲気でピンチを切り抜けた。五味龍星主将(3年)は「どの高校よりも、楽しめたと思う。最後まで、全員でやりきれました」。準優勝となり、引退後はみんなで妖怪と友だちになる予定。グラウンドを離れても、ユニホームを脱いでも仲良し。笑顔の絆は、ずっと続いていく。