第1シードの関東第一が7回コールド勝ちで8強入りした。

ド派手な満塁本塁打2発で圧倒した。まずは1-0の3回2死満塁、滝川柊憂外野手(3年)が右越えへ。高校通算3号で、満塁本塁打は人生初。「2ストライクだったので、全ての球に対応して芯で捉えようと思ってました」と、岩倉・古坂のフォークが落ちきらなかったのを捉えた。

2本目は、スタメン落ちの意地が詰まっていた。7-2の6回1死満塁で、代打・津原璃羽内野手(3年)。川津の落ちる球をすくい上げ、左越えへ。通算は「10本ちょい」で、満塁本塁打はこちらも初めて。「うれしいです! (代打を送られた)秋葉の分もやってやろうと思いました」と笑顔で答えた。

結果は華々しいが、過程には関東第一らしい徹底力があった。相手先発の古坂はフォークを多投すると分析。米沢貴光監督(45)は「中盤から終盤勝負で、じっくりいこう」と指示を出していた。落ちる球に前のめりにならないよう、落ち着かせるためだった。3回の満塁本塁打の前には、2死二塁から四球2つで塁を埋めた。「見極めることができました」と米沢監督。指示に応えた選手たちをたたえた。

8強入りし、優勝まで残り3勝だ。勢いがつく勝ち方では? と問われた米沢監督だが、即座に否定し「ミスしてますので。最後、二、三塁で二塁ランナーにサードに行かれました。エラーやパスボールはしょうがないですが、チームで締め直したい」と続けた。エース市川が、6回1死二、三塁で左飛を打たれた。その際、三塁走者の生還だけでなく、本塁返球の間に二塁走者の三進も許したことを見逃さなかった。勝ってかぶとの緒を締め、次戦へ臨む。