センバツ出場校の京都国際が、東山との打撃戦を制し、勝利を収めた。

最速143キロ左腕の森下瑠大(りゅうだい、2年)が、1回1死満塁で救援。最初の打者に四球で押し出しの1点を失うも、後続を断った。だが、東山打線が食らいつく。2回に勝ち越され、5回には4安打を浴び3失点と一時は逆転も許した。8回2/3 10安打6失点に「自分の技術が足りない。追い込んでから投げきれなかった」と森下は肩を落とした。この試合まで今夏無失点だったが、東山は簡単には勝たせてくれない相手だった。だが、1回途中で降板した先発・平野順太(2年)が4安打5打点1本塁打とバットで取り返した。21安打11得点で森下を援護した。

「ちょっと連投で疲れていた。最後まで気力で投げ抜いてくれました。ああいうところで抑えてくれるのがエース」と小牧憲継監督(38)の森下に対する信頼は揺るがない。センバツ後、球速は5、6キロ増し、変化球の精度も上がった。またブルペンでの投げ込みで「インコースへ強い球を投げ込めるようになった」と語るなど、着実に全国制覇の目標に向けて階段を上っている。

最終回は、4-2の9回裏に3点を失ってサヨナラ負けした選抜大会2回戦・東海大菅生(西東京)戦のの悔しさを思い出した。「あのサヨナラと同じようにはならないぞ」と、マウンドに駆け寄った中川勇斗捕手(3年)と声を掛け合い、集中した。「これがあったからこその夏」と小牧監督の言葉を胸に、センバツの悔しさを力に替えた。夏の甲子園へ、あと1勝だ。【岡崎空日南太】