春季九州大会8強の長崎商が、今春センバツ出場の大崎に延長10回で競り勝ち、5年ぶり8度目の夏の甲子園出場を決めた。

自慢の粘り強さを発揮し、ミラクル逆転優勝だ。3-4で迎えた9回。2死から連続四球、二塁内野安打で満塁。起死回生のチャンスに、途中から代打出場していた久松太陽外野手(3年)が「決めてやろうと思っていた」と、値千金の右前同点打を放った。

勢いのまま、延長10回2死二塁。1番・横田星大(しょうと)内野手(3年)が低めスライダーをとらえ、左前に勝ち越しの適時打をはじき返した。

青山隼也主将(3年)は優勝インタビューで「日々の積み重ねが最後の粘りをつくり、長商の粘り勝つ野球を展開できた」。九州最古の公立商業高校が、古豪の底力を見せた。

 

◆長崎商 1885年(明18)創立の市立校。情報国際ビジネス科に708人(女子605人)が学ぶ。野球部創部は1920年(大9)。部員数68人(マネジャー6人)。甲子園出場は春2度、夏は16年以来8度目で1952年4強が最高。主な卒業生はタレント蛭子能収、元巨人投手の松尾輝義ら。所在地は長崎市泉町1125。小柳勝彦校長。