春季九州大会8強の長崎商が今春センバツ出場の大崎に延長10回で5-4と競り勝ち、5年ぶり8度目の甲子園出場を決めた。闘病生活から復帰したエース右腕、城戸悠希(はるき)投手(3年)が、救援で逆転優勝を呼び込んだ。

1点を追う8回2死から代打で出場。その裏にマウンドに上がると、2者連続三振などテンポよく3人で打ち取り、流れを変えた。3イニングで4三振を奪う無安打無失点で貢献。エースの気迫に応えようと打線も奮起した。9回2死から連続四球、二塁内野安打で満塁。ビッグチャンスに久松太陽外野手(3年)が「決めてやろうと思っていた」と、右前同点適時打を放った。延長10回2死二塁。1番・横田星大(しょうと)内野手(3年)が低めスライダーを執念でとらえ、左前適時打で勝ち越した。

城戸は昨年9月に「リンパの腫れによる発熱で病院に入院したり自宅で休みました」と言い、約2カ月の闘病生活を経験。「悔しい思いをして(チームに)迷惑もかけたので助けたかった」と気合十分だった。甲子園へ「一戦必勝で自分と田村(琉登投手)でチームが勝つ投球をしていきます」と活躍を誓った。【菊川光一】

◆長崎商 1885年(明18)創立の市立校。情報国際ビジネス科に708人(女子605人)が学ぶ。野球部創部は1920年(大9)。部員数68人(マネジャー6人)。甲子園出場は春2度、夏は16年以来8度目で1952年4強が最高。主な卒業生はタレント蛭子能収、元巨人投手の松尾輝義ら。所在地は長崎市泉町1125。小柳勝彦校長。