興国(大阪)の大江遼也投手(3年)が5安打完封で、最後に甲子園に出場した75年以来46年ぶりの4強に導いた。「気持ちが入った」のは9回だ。「相手の雰囲気が違った」と2死一、二塁とピンチを招いた。それでも「低めのコントロールが良かった」と最後の打者を遊直に打ち取った。「完投は狙ってなかった。とにかく目の前の打者を打ち取ることだけを考えていた」。131球を投げ抜いた左腕は疲れを見せず、爽やかな表情のまま。12奪三振には「普段は打たせるタイプなんですけど」と自身も驚いていた。

完投できた精神力は喜多隆志監督(41)の指導のたまものだ。生徒指導部に籍を置く指揮官は「授業態度が悪い、ましてや寝てるような人に結果は出ない」と一教員としても指導に当たる。大江にも「授業態度や私生活でも隙を見せないように」と言い続け、大江は最後の夏に応えている。

68年夏の甲子園での初出場初優勝は語り草。私生活から自らを律してきたナインは、その精神力で準決勝で19年夏の甲子園王者、履正社に挑む。【前山慎治】