<高校野球東東京大会:帝京5-3東亜学園>◇30日◇準々決勝◇駒沢球場

 

東亜学園の3番、松本颯斗外野手(3年)に最終回の打席は回ってこなかった。4回までの5点ビハインドを2点差まで追い上げたが、9回の攻撃は2死走者なし。「ランナーをためて回してくれ。絶対にかえす」と願うも、目の前で竹松京飛主将(3年)が投ゴロに倒れた。3安打2打点と奮闘した松本のバットに託せなかった。

昨夏の独自大会も準決勝で帝京に惜敗。さらに言えば、18年夏も準々決勝で帝京にやられている。今夏8強を決めた後、卒業した1つ上の代から「お前たちならできる」と激励が届いた。6月に組み合わせ抽選会をした時点で、互いに勝ち進めば準々決勝で当たることは分かっていた。竹松が「去年、負けてから、帝京を倒すと意識してきました」と言えば、松本も「先輩たちの借りを返すためにも、6回戦(準々決勝)をテーマに置いてました」と明かした。照準を合わせ、臨んだ一戦だった。

3得点は、いずれも四死球と単打でつないだもの。スタイルである粘りは見せられた。松本は「つなぐ野球を後輩たちは見ていたと思います。来年こそ、帝京に勝って欲しい」。“打倒・帝京”の思いも、次代につながれた。【古川真弥】