<高校野球東東京大会:関東第一4-1修徳>◇1日◇準決勝◇東京ドーム

7回、修徳の4番佐藤大空(2年)のバットが空を切ると、球場にどよめきが起こった。関東第一の好投手、市川祐投手(3年)が投じた初球。高く上げた左足を目いっぱい踏み込み、フルスイング。勢い余って右膝が地面についた。「4番で立たせてもらっているので、チームに流れを持ってこられるようにと。おもいっきりフルスイングすることがチームの勢いになる」と、最後まで信念を貫いた。

姿勢は結果にも表れた。0-4で迎えた4回、市川の145キロの直球を捉え、左翼席へ反撃のソロ本塁打。準々決勝・小山台戦のサヨナラ満塁本塁打に次ぐ、今大会3号となった。「スタンドやベンチの応援で打てたみんなの1発。自分が本気でフルスイングできるのは、3年生がいるおかげです」。2年間共にプレーした先輩へ、感謝の思いを口にした。

「修徳に入ってから甲子園を目標にしてきた。こういう試合ができたことに悔いはありません。今年はベスト4で終わってしまったので、超えられるように頑張りたいと思います」。まだ2年生。これからも、この夏かなわなかった甲子園出場という夢へ、フルスイングしていく覚悟だ。