神戸国際大付の阪上翔也投手（3年）が復活の投球を見せた。2点を先制した直後の2回に1死三塁を招いた。まず投ゴロに抑える。次打者に思い切り腕を振ると、自己最速を1キロ更新する148キロをマークした。変化球も駆使して空振り三振でピンチを脱出。カットボールを決め球に5回1失点と好投し、夏初戦で好スタートを切った。

「センバツは思うような投球ができなかったので、今度はちゃんと投げて勝ちたいと思った」

甲子園に悔しさを残していた。センバツの開幕試合で北海と対戦。阪上は右肘の痛みを抱えながら先発して1回2／3を1失点で中堅に回った。2回戦の仙台育英戦も先発で1回2／3を4失点でチームは敗退。大会後は治療に専念し、けがと向き合った。今夏の地方大会前にブルペン投球を再開し、計4試合に先発。4回戦の武庫荘総合戦で147キロを投げるまで状態を上げた。青木尚龍監督（56）は悪夢から約5カ月の取り組みを認めた。「春の大会から肘を治すことに専念した。それプラス強化をしたからだと思う。強化とケアを本人がちゃんとしてくれた」。

再び立った聖地の先発マウンドで阪上は「1つでもミスをしたら流れが変わってしまう。めっちゃ集中してやりました」と序盤から全開だった。「速球はよく走っていたけど、毎回走者を背負っていたので、もっとしっかり投げ切れたら」。余力を残しての68球。青木監督は「頑張ってくれよということで送り出しました。よく投げた。次はもう少し長く投げてくれれば」とねぎらった。

2回に川西のスクイズと山里の適時二塁打で挙げた2点を、阪上と2番手左腕の楠本との継投で守り切った。6回から右翼に回った右腕は「途中で代えられて、まだまだできるかなと思います。目の前の試合をしっかりやっていきたい」と表情を引き締めた。センバツは2回戦敗退。夏はもっと長く、甲子園でプレーする。【三宅ひとみ】

 

◆センバツVTR　開幕試合で対戦。神戸国際大付は9回に坂本の本盗で2－2の同点に追いつき、途中出場の関が10回1死満塁から中前にサヨナラ安打。