<全国高校野球選手権:智弁和歌山5-3高松商>◇24日◇3回戦

高松商の注目スラッガー浅野翔吾外野手(2年)は右手を突き上げ、人さし指を伸ばしてベースを1周した。4点を追う6回1死。プロ注目右腕の智弁和歌山・中西の外角低めのスライダーを振り抜いた。「スライダーを狙っていて、いいスイングができました」。右打席から放った打球は快音とともに大きな弧を描き、左翼席中段まで飛んだ。「(今回の甲子園で)本塁打の打席が一番納得できる打席でした」。初めて聖地で放った高校通算35本目に胸を張った。

試合後、長尾健司監督(51)は「(主将)やるよな?」と質問。浅野は「はい」と即答した。長尾監督は「恵まれた才能もある。主将としてリーダーシップを持って精神的にも成長してほしい」と期待。浅野も「(主将を)やりたい気持ちはある。(現主将の)山崎さんが背中で教えてくれた。山崎さんを見習って。自分もパワーアップして、もっと良いチームになって、また甲子園に戻ってきたい」と力を込めた。

今夏の甲子園は2試合で7打数4安打1本塁打と輝きを放った。この経験を、この1敗の悔しさを糧とし、また来年も帰ってくると誓った。【前山慎治】

◆浅野翔吾(あさの・しょうご)2004年(平16)11月24日、香川県生まれ。小学3年時に屋島スポーツ少年団で野球を始め、屋島中学では捕手。中3時にU15日本代表に選出され、第10回BFAアジア大会優勝。高松商では1年夏の代替大会からベンチ入り。将来の夢はプロ野球選手。高校通算35本塁打。170センチ、83キロ。右投げ右打ち。