新生・帝京が爆勝スタートを切った。50年率いた前田三夫監督(72)が勇退。この秋は、コーチから転身した金田優哉監督(36)が指揮を執る。その初戦で、八丈に11安打12得点で5回コールド勝ち。1番三塁の小島慎也内野手(2年)が二塁打3本に満塁本塁打の4安打5打点と引っ張り、新エース高橋蒼人投手(1年)が5回参考ノーヒットノーランを果たした。

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締めの1発も初球だった。8-0で迎えた5回1死満塁。小島は「自分で決める」と振り抜いた。打球は、あっという間に右翼後方のネットへ。コールドを決める高校通算9号にも、淡々とダイヤモンドを回った。1番打者の使命感に燃えていた。「チームの初戦。勢いを付けたい。自分で流れが変わってくる」。初回、2回、4回と全て第1ストライクを捉え二塁打を重ねた。先頭打者として、積極的に流れを引き寄せた。

投の立役者は高橋だ。「夏の18番から1番になった。(3年のエースだった)安川さんの番号。重いです。準決勝は自分の4失点で負けた。先輩たちの分もやらないと」。1年生ながら先発を任された夏の東東京大会は、準決勝で二松学舎大付に敗れた。再スタートの初戦で、5回無安打無失点。許した走者は味方の失策による1人だけだった。

実は、10日ほど前まで“危機”にあった。夏4強の満足感か、新チームの空気はゆるんでいた。練習後に2年生だけで残り、本音をぶつけ合い、引き締めた。初陣を飾った金田監督は「チームになっていない不安がありましたが、準備したことは出せました」。前田現名誉監督からは「やってみろ」と背中を押されたという。甲子園出場は、金田監督がコーチに就任した11年の夏が最後。再び、あの場所へ。全員の目指すところは1つだ。【古川真弥】