上尾の太田壱鳳(いっぽ)外野手(2年)が、延長10回、1死満塁でサヨナラ打を放った。

「1死で自分の後ろにはいい打者がいるので、リラックスして打席に入りました」と振り返った。対照的に相手投手の緊張を感じ取り、直球に狙いを定めてカウント0-1から迷いなくバットを振った。

「壱鳳」という名前には一歩ずつ徐々に成長して欲しいという両親の願いが込められている。練習試合で結果を出してつかんだレギュラーの座。打撃に自信がなく、ひたすら打撃を磨いた夏の努力が結実した試合だった。「今日は結果が出ましたが、まだまだ足りないです」と成長に貪欲な姿勢を見せた。高野和樹監督(54)が「地道に努力を続けてきた」と評する男が、高校野球人生を一歩ずつ進んでいく。