昌平・吉野創士外野手(3年)は楽天が1位指名し交渉権を獲得した。

名前が呼ばれると、ほっとした表情の後、同席した黒坂洋介監督(46)とグータッチを交わすと、監督とともに涙を流した。「1位という順位への驚きと、3年間の努力が成果にでたのかなと思います」と喜んだ。その様子を見ていた両親の善規さん(57)と智子さん(53)の目にも涙。会場中が歓喜と涙に包まれた。

楽天に対する印象は「動画でよく見ているんですが、チーム内の雰囲気がよく、良いチームだなと思います」。目標とする選手は、高校2年生の頃から憧れていた浅村栄斗内野手。「浅村選手のようになりたいです」と笑顔だった。

昌平初のプロ野球選手が誕生した。1年春から主軸を担ってきた高校通算56本塁打の長距離砲。「全国区で名前が挙がるような選手になりたい」と話していた通り、ドラフト会議での注目株になった。

大好きだったおじいちゃんに、プロ野球選手になると誓った夢をかなえた。野球を始めるきっかけをくれたのは、祖父・忠雄さん。幼少時に一緒に東京ドームでの巨人戦を観戦し、野球に魅せられ、小学4年で野球を始めた。練習にはいつも付き合ってもらい、基礎を築いた。

忠雄さんは15年7月5日に肺がんで他界。闘病中に「プロになって、子どもたちを喜ばせられるような偉大な選手になってくれ」と思いを託された。天国の祖父に、ようやく報告できる時がきた。吉野は「まずは、やっと自分の目標だったプロに立てたと報告したいです」と力強く話した。

千葉県浦安市出身、186センチ、78キロ、右投げ右打ち。