77歳の阪口慶三監督率いる大垣日大(岐阜)は来春センバツが厳しい情勢になった。同点の5回、小刻み継投も実らず、3連打を浴びて4失点。6回は山田渓太外野手(1年)が松永陽登投手(2年)に右中間へ満塁本塁打を浴びて、突き放された。先発の五島幹士投手(2年)も1回に2点を失うなど精彩を欠いた。勝てば11年センバツ以来、11年ぶりの甲子園が有力になった一戦で敗れた。

阪口監督は「投手が大誤算だった。1回に2点を取れた。『行くぞ』というところ。試合前『エラーは2つまでしていい。ボールに向かって思い切って攻めろ!』と言っていた。思わぬエラーもあった。残念だけど、選手を責めるわけにいかん。エラーをする指導をしたということ」とナインをかばった。五島は試合中に左肘の違和感が生じ、ゲームプランも狂った。指揮官は言う。「投手力、攻撃力、守備力、機動力。すべてにおいてやらないと」。12月には合宿を予定する。ベテラン監督は来年の夏に向けて鍛え直すつもりだ。

阪口監督は春夏通算32度の甲子園出場を誇り、38勝は歴代8位。東邦(愛知)で指揮を執った89年はセンバツ優勝に導いた名将だ。来春のセンバツ出場なら77歳10カ月で迎え、常総学院(茨城)の木内幸男監督が出場した09年夏の78歳0カ月に匹敵する高齢での指揮だった。この日、攻撃中はベンチで仁王立ちするなど意気盛んだったが、終盤の追い上げも及ばなかった。

敵将は報徳学園(兵庫)を率いた02年にセンバツ優勝した永田裕治監督(58)だ。注目の名将対決は3時間近い打撃戦で負けた。