花巻東(東北・岩手)の大砲は麟太郎だけじゃない。中学時代から佐々木麟太郎内野手(1年)とクリーンアップを組む4番田代旭捕手(2年)が、高校通算40号となるソロ本塁打を含む2打点。高知(四国・高知)を破り、初出場で4強入りの原動力になった。

主将、捕手、4番と三役をこなす田代が、豪快弾で節目の40号を刻んだ。3点リードの6回先頭で、カウント2-0から内角高め134キロ直球をフルスイング。打った瞬間に「ヨッシャー」と右拳を力強く握り、右翼席中段へ完璧なアーチをかけた。

「初回に佐々木麟太郎が先制打を打って流れをつかみつつ、試合を決めるという意味で、まだ点数が足りなかった。先頭で出塁しようと思ったが、本塁打という形になり良かったです」

初戦の国学院久我山(東京)戦での決勝打に続き、1発と犠飛で2打点を稼いだ。それでも「上には上がいて、1年生に自分より打っている者(佐々木麟)がいるので、自分はまだまだ」と謙遜する。中学時代は佐々木麟とともに、エンゼルス大谷の父徹さんが監督を務める金ケ崎リトルシニアでプレー。19年夏には3番田代、4番佐々木麟の打順で東日本選抜大会を制した。

高校でも「ニコイチ」は変わらず、今秋からは3番佐々木麟、4番田代の新たな並びで打線を支える。「自分にくっついて麟太郎がいるみたいに思っていて、気楽に打てています」。日本一に向けて計88発の「RT砲」が猛威をふるう。【山田愛斗】