「幻のホームラン」も、やり場のない悔し涙も、救われることになる。

日本高野連は18日、大阪市内で理事会を開催し、成立前の試合を引き継いで翌日以降に再開する「継続試合」を今春センバツから採用することを決めた。天候不良などで試合が中断された場合、イニングに関係なく翌日以降に中断された場面から再開し、9回もしくは勝敗が決するまで行う。春のセンバツと夏の選手権で採用されることが決定。明治神宮大会と国体については、今後検討される。都道府県大会については、実情に応じて連盟ごとに採用する。

「継続試合」は選手の健康管理や近年のゲリラ豪雨など気象状況を踏まえ、以前から検討されていた。昨夏の選手権では、水浸しのグラウンドで行われた大阪桐蔭-東海大菅生戦が降雨コールドゲームに。3点を追う東海大菅生が8回表1死一、二塁と好機を迎えたタイミングで無念の試合終了となっていた。

今後は降雨によるノーゲームやコールドゲーム、日没による引き分け再試合はなくなる。宝馨会長(65)は「記録に残らない扱いになっていた選手のプレーが全て公式記録として残る。もう『幻のホームラン』は甲子園大会ではありません」とコメントした。

◆甲子園のノーゲームやコールドゲーム 昨夏の第103回全国選手権大会では、帯広農-ノースアジア大明桜(4回裏終了)、日大東北-近江(5回裏2死)がノーゲームになり、大阪桐蔭7-4東海大菅生は8回表1死でコールドゲームになった。いずれも降雨のため。夏の大会だけでノーゲームは20度、降雨コールドゲームは8度ある。ノーゲームでは09年の木下拓哉(高知=現中日)らが記録に残らない「幻の本塁打」を打っている。