星稜のエース右腕マーガード真偉輝(まいき)キアン(3年)が先発、7回0/3を2失点、自責点0の好投でチームを初戦突破に導いた。

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186センチ、90キロの巨体から130キロ台後半の直球とスライダー、カットボールを絶妙に織り交ぜ、被安打3、奪三振8。右手のツメに異常が生じ、8回途中に降板するまで天理打線を翻弄(ほんろう)した。

元米海軍のマイケルさん(54)と恵子さん(57)を両親に、沖縄・沖縄市で生まれた。美東中3年だった19年夏の甲子園で、現ヤクルト奥川を擁した星稜が履正社に負けた決勝戦を生観戦。「星稜の準決勝後に、あの子が“見たい”と言い出して。そんなお願いをする子じゃないから、ビックリしました」と恵子さん。両親と3人で沖縄から急きょ甲子園まで飛び、星稜進学を決めた。

家族を沖縄に残し、石川に単身乗り込み、気候の違いを乗り越え、縁もゆかりも友達もいない中で成長した。最後の守りとなった11回裏2死三塁、一打同点のピンチには、マウンドへ伝令で走り、今大会を最後に退任する林監督の「こんな楽しいことはないから」という言葉を伝え、士気を高めた。「監督さんと1試合でも多く一緒にいたい」。マーガードはまだまだ投げ足りない。