静岡の東部と西部で地区大会が開幕した。常葉大菊川のプロ注目右腕・安西叶翔(かなと)投手(3年)が袋井商戦の2番手で登板。4回を2安打無失点5奪三振と好投した。中部地区大会も27日に開幕。各地区12チームの県大会出場権を争う。

最速147キロ右腕が、今春の公式戦初戦に登場した。安西は直球主体で変化球を織り交ぜ、打者16人へ計51球。安打は2本しか許さなかった。「調子は良かった。冷静な投球ができた」。大会前の練習試合では、制球を乱すこともあった。「下半身の体重移動に取り組んでいる」と課題を挙げた。失点が多く、背番号は「11」。エースと胸を張れる立場ではない。「背番号は意識していない。チームが勝って、自分が貢献できればいい」。勝利を優先する姿勢を示した。

石岡諒哉(りょうや)監督(30)は安西について、「技術面で成長を感じるが、ピンチの場面で崩れることがある。精神面も鍛えれば、勝てる投手になってくれるはず」と期待を込めた。27日の2回戦では、昨秋東海大会準優勝の聖隷クリストファーと対する。有力私立校対決に向けて、安西は「攻める気持ちを忘れず、ぶつかっていくだけ」と強調した。【山口昌久】