三塁コーチャーの腕が回るのを見て、関東第一・柳瀬冬和(とうわ)外野手(3年)は迷わずホームへ突っ込んだ。6-2の6回1死二塁で、左翼線へ飛ばした。左翼手が飛び込むも捕球できず、ボールはフェンス方向へ転々。「(コーチャーを)信じてました」と50メートル5秒9の足をフル回転し、最後は滑り込んだ。高校初本塁打をランニングホームランで飾った。
中学までは右打ちだったが、「足を生かそう」と考えた米沢貴光監督(46)の下、スイッチに挑戦。練習時間の8割は左打ちに割き、徐々にものにしていった。この日は二塁打2本も放ち、計3安打3打点。打順は2番が多かったが、1番に座った。「自分が塁に出ると周りも乗る。体を開かずに逆方向へ」と意識した通り、初回先頭で左翼線二塁打。先制ホームを踏み、先頭打者の務めを果たした。
憧れの人がいる。関東第一の3年先輩にあたる大久保翔太外野手だ。現在は新潟医療福祉大でプレーする先輩は、19年夏の甲子園に1番中堅で出場。全試合で安打を放ち、計4盗塁。8強まで引っ張った。柳瀬は「大久保さんに憧れて関一に来ました」。大久保と一緒にバントや走塁練習もやった。「足は大久保さんの方が速いです」と打ち明けるが、1番として先輩に引けを取らない活躍だった。
米沢監督は「足は大久保ですが、柳瀬は器用。本職は内野だし、いろいろできる」と評価する。さらに「もう1歩、速くなれる」と、さらなるスピードアップを期待した。

