春季高校野球県大会が28日に開幕(決勝5月14日=長岡市悠久山球場)。優勝校が春季北信越大会(6月4日開幕=福井県)に出場する。昨夏の甲子園出場校で昨秋県準優勝の日本文理は30日の初戦2回戦で新津工-新発田中央の勝者と対戦する。プロ注目の右腕、田中晴也投手(3年)が着実に力をつけて春に臨む。チームはオフシーズン、部員の不祥事により25日まで対外試合禁止処分を受け、春はぶっつけ本番。それでも動じることなく培ったものを試す。
田中が思い切り右腕を振ると、力のこもった直球が乾いた音を立てて捕手の竹野聖智主将(3年)のミットに収まる。「計画的に練習できた」と言う。4月に入り、ブルペンでの投げ込みは多い日は80~100球、少ない時は30球ほどと状態に合わせ調整してきた。冬場の筋トレで体重は昨秋から4キロアップして92キロ。マウンド上の威圧感を実戦に組み込むことがこれからのテーマだ。
プロ複数球団が今秋のドラフト候補として早くからリストアップ。投手だけでなく、長打と巧打を併せ持つ打撃センスも評価されている。「投手としても打者としても成長して、最後は甲子園で優勝したい」。その序章になるこの春には「北信越大会で敦賀気比(福井)と星稜(石川)に勝ちたい」と明確な目標を持つ。
昨夏甲子園、初戦2回戦で敦賀気比に6-8で敗れた。昨秋の北信越大会は2回戦で星稜に1-3。敦賀気比戦で当時の自己最速147キロをマークし、星稜戦ではそれを1キロ更新する148キロを出した。強い相手を前にするとギアが上がった。今度はそこで勝つことが自身とチームの成長の証しになる。
鈴木崇監督(41)は「自分で考えてできる選手。精神面で心配はしていない」と信頼を寄せる。日本文理は1月、寮内での部員の暴力行為がSNS上で拡散されて発覚。2月に日本高野連から3カ月間の対外試合禁止処分を受けた。実戦形式は紅白戦のみだったが「投手陣でアドバイスし合った」と田中。村越仁士克(3年)高橋史佳(2年)と意見交換し、意識を高めた。「春も夏も手がつけられないくらい強くなりたい」。田中の注目度は上がるが、それを堂々と受け止め、励みにする。【斎藤慎一郎】
◆田中晴也(たなか・はるや)2004年(平16)6月6日生まれ、長岡市出身。小2から赤城ベースボールクラブで野球を始める。長岡南中では軟式で3年時に県大会3位。県選抜入りし、全国都道府県対抗で準決勝進出。日本文理では1年秋からベンチ入り。2年春から背番号1。186センチ、92キロ。右投げ左打ち。
○…竹野主将は「心の部分が進化しなければと取り組んできた」と言う。対外試合禁止の間、頻繁に全体、学年別でミーティングを開いた。日々の練習の反省、課題の抽出だけでなく、YouTubeなどで組織づくりに関する実業家の動画を見るなど野球以外にも結束力を高めるためのヒントを求めた。「見えないところ、細かいところに気を配ることが大切」。鍛えたメンタルが武器になる。

