東洋大姫路の岡田龍生監督(60)にとって就任最初の大会は準優勝だった。

センバツ後の4月から母校の監督に就任。エース森健人投手(3年)を中心に、勝ち上がってきた。この試合は森は投げず、内海誠揮(2年)と野々村航(3年)が踏ん張ったが、打線が完封を食らった。

履正社(大阪)で19年夏の甲子園を制覇した岡田監督は初の大会を手厳しく振り返った。

「1カ月間、いろいろとやってきたが、僕が思っていることの10%も伝わっていない。野球の質を上げないといけない。もっと振っていく姿勢を出してほしいですね。報徳はどんどん振ってくる。それが本来の、今の野球でしょう。新1年生はスムーズに入れているけど、上級生は本当に振らないですね。三振が怖いのか、のびのびやっていない。野球をやってて楽しくないのかなと思う」

初めて指導者として戦った兵庫県の公式戦。「バットを振ってくる威圧感は大阪の方がある。公立、私立関係なく」と、野球の違いも肌で感じた。就任以来、推し進めている打撃改革。今大会では4番に1年生の中島賢也外野手を抜てきして上級生へのカンフル剤としてきた。「ここからの2~3カ月で、どの学校も打力が上がってくる」と断言したベテラン監督。改革はまだ始まったばかりだ。