昨夏の北北海道大会決勝と同カードは、帯広大谷が競り合いを制し“リベンジ”を果たした。

1-1の同点に追いついた直後の2回2死二、三塁、2番糸瀬早人左翼手(2年)が左中間に2点適時二塁打を放ち勝ち越し。守っては、背番号1の田中大輔(3年)、同22の喜瀬創平(3年)の右腕リレーで逃げ切った。決勝打の糸瀬早は「いつもは後ろの3、4番につなごうと考えるが、3ボール2ストライクから甘い球が来たので思い切って振り抜いた。チームの勝利に貢献出来てうれしい」と喜んだ。

昨夏は、北大会決勝をスタンド応援。兄亮太捕手(札幌大1年)も出場していたが、試合は2-19と、北海道の夏の決勝最多失点(中等学校優勝大会時代および南北分離前含む)で大敗した。「去年の夏、兄は『やりきった』と話していたが、僕は悔しくてたまらなかった。何としても自分が打って、絶対に勝ちたかった」と振り返った。

組み合わせ決定後、帯広農と再戦する可能性が出てくると、すぐに兄から「お前なら打てる」と激励のメッセージが届いた。相手投手は昨夏、兄が決勝で敗れ、甲子園でも登板した佐藤大海(3年)。冬場に兄から「考えすぎないこと」と打撃面のアドバイスを受け打席に集中し、1打席目は中飛も「狙い球を絞れて、いい当たりが出たので自信になった」と2打席目で攻略し、勝利につなげた。

兄は大学でも野球を続けているが現在、右肩を痛めてリハビリ中。「あこがれの兄に、いい報告ができる。兄も早くプレーができるようになってくれたら」と早期復帰を願った。

14日の3回戦(帯広の森)は昨秋全道大会出場の帯広工と対戦する。糸瀬早は「次も自分のやるべきことをしっかりやるだけ」。難敵に食い下がり、19年以来3年ぶりの春全道切符をたぐり寄せる。【永野高輔】