先発マウンドに上がった明秀学園日立(茨城1位)の石川ケニー外野手(3年)が、投打でチームをけん引し、銚子商(千葉2位)に勝利した。先制打にコールド勝ちを決める2点適時打の2安打3打点。投げては5回を4安打1失点で「黒潮打線」を封じた。

   ◇   ◇   ◇

主将としてチームを助けたい。その責任感が、石川を突き動かした。1回2死二塁。「初回に得点すると、チームに勢いがつく」とチェンジアップを捉え右越え適時打で先制点を奪った。マウンドでは、前半は力みが見えたが、4、5回はスライダーが決まり3者凡退。6回からエースの猪俣駿太投手(3年)につなげた。「猪俣に無理をさせたくない」と8回には1死二、三塁で右越え適時二塁打。コールド勝利を決めた。

「打撃でも、投手としても助けたい」と二刀流に挑戦し、野手の練習に加え週2回の投げ込みとフル回転。腰の疲労骨折もあったが、医師の許可を得て投げ込みを続け、登板に備えた。「両方やれて楽しいです」と笑い飛ばした。

昨秋、主将に就任すると「話すことは得意じゃないので、プレーで見せられるような主将になりたい」と目標に掲げ、今やチームの大黒柱。ハワイ生まれ、ハワイ育ちの石川が、明るい太陽のようにチームを照らし、力強く支えている。