センバツ出場の主将が、大一番で存在感を示した。聖光学院が光南を6-2で下し、2年連続12度目の「春王者」に輝いた。赤堀颯内野手(3年)が「1番遊撃」でフル出場し、勝ち越し適時打を含む2安打2打点と姿勢でけん引。昨秋4回戦で破った相手に再び勝利した。3位決定戦は学法石川が学法福島に8-5で競り勝った。地元福島で開催される東北大会(6月7日開幕)は聖光学院、光南、学法石川が出場する。

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4点リードの9回2死。“V2”までアウトあと1つ。遊撃手の赤堀は、高く舞い上がった打球を確認し落下地点へ。球場全体の視線が集まる中、捕球。ウイニングボールをグラブに入れたまま整列に向かった。昨秋に続く県制覇。笑顔で応援席に勝利を報告した。「秋はとにかく食らいついて野球をやる中、優勝できたことは奇跡に近い、神がかった勝利。春も食らいつく思いで戦った結果が1勝1勝、勝ち上がることにつながった」と振り返った。

前日21日の準決勝はコールド勝ちを決めるサヨナラ適時打を放ち、その勢いを継続した。同点の2回2死二塁での第2打席。「『自分がやるべきことを』と思って、ゾーンに来たら振っていこう」と直球をすくい上げ、左中間へ勝ち越し適時二塁打。2点リードの8回も適時左二塁打で追加点。いずれも初球を痛打。「初球を振っていくことが持ち味」と話す主将の積極的な打撃が光った。

打撃だけでなく守備でも支えた。3回1死、二塁手の失策で走者一塁の場面。「(先発の)小林(剛介、3年)は打たせて取る投手。『どれだけ飛んできても1個ずつさばいていければ』と話していた。次は絶対にカバーしてやる」という言葉どおり、後続をきっちり二塁併殺に仕留め、相手に流れを渡さなかった。

第1代表として臨む地元開催の東北大会まで約2週間。「気持ちが乱れると自分たちの良さは消える。打撃練習や戦術に磨きをかけてチームの士気や気持ちは常にレベルを上げる準備をしたい」。昨秋の東北大会準優勝でセンバツに出場。貴重な経験でさらに磨きがかかった「聖光野球」を東北の猛者に見せつける。【相沢孔志】