花巻東が4大会連続優勝(20年はコロナ禍で中止)に王手をかけた。13-0の5回コールドで久慈に完勝。初回に千葉柚樹内野手(2年)が3点適時三塁打、小原大和外野手(3年)が左越え2ランを放って勢いに乗ると、計11安打と打線が爆発した。

盛岡大付は小野寺琉希也(るきや)投手(3年)が完封し、盛岡三に5-0で快勝。29日の決勝は昨春と同じ花巻東-盛岡大付のライバル対決となった。両校は6月7日に福島県で開幕する東北大会出場が確定した。

   ◇   ◇   ◇

千葉が花巻東打線を活気づけた。押し出し四球で1点を先制した直後の初回1死満塁。カウント2-1から外角直球を右翼線へ流し打ち。走者一掃の適時三塁打とした。「まずは迷わないことを意識して、チームとしても点数を取りきりたかったので、思い切って打席に立ちました」。リードを4点に広げ「ヒットになってくれてホッとしました」。続く小原が左越えに2ランを運び、6得点のビッグイニングを作った。

花巻東打線は1年時から活躍する2年生トリオがバランス良く配置されている。高校通算67本塁打の佐々木麟太郎内野手が3番、千葉が6番、熊谷陸内野手が9番に控える。千葉が「麟太郎は結果を残して大きな存在でライバルという意識もある」と言えば、佐々木麟も「3人が1年生から出させてもらっている以上、打線を引っ張らないといけない。3人でライバルというのを意識しながらやっています」と力を込める。

千葉は花巻東が掲げる「岩手から日本一」の目標を達成するために入学した。今春センバツで全国制覇に挑むも、市和歌山に4-5と競り負けて初戦敗退。個人としては4打数2安打と結果を残し「すごい楽しい場所で、甲子園にまた戻りたい」と感じたという。

今大会決勝は甲子園切符がかかる夏の前哨戦だ。昨春に続いて宿敵の盛岡大付と対戦。「結果的に優勝できればいいですけど、夏に向けてもチームとしてレベルアップできるように、一戦必勝でいきたいと思います」。千葉が再びバットで輝きを放つ。【山田愛斗】