浜松工の投手陣が、25年ぶり3回目の甲子園出場に導く。1年秋からエースを務める右腕・細窪優良(ゆら)投手(3年)が、成長を続けている。昨春まで最速134キロだった球速は、ひと冬越えて、141キロを記録。7キロもアップした。「チームが秋から始めたトレーニングのおかげ。体重も半年で10キロ増加。別人です」と満足げだった。

チームは昨年11月、外部トレーナーによる専門トレーニングを導入。投手陣はストレッチと体幹トレーニングを始めた。股関節を柔軟にして、投球の軸が安定し、力強さが増した。細窪は「磨いた直球を武器に、悔いのない投球をしたい」と力を込めた。

矢部真吾監督(46)は「連戦を乗り切るため、控え投手陣の頑張りにも期待したい」と話した。指揮官が2番手に指名したのは、左腕・玉田伊吹投手(3年)だ。130キロの直球と切れ味鋭い変化球が武器。この冬のトレーニングで、ベンチプレスは70キロから85キロに上がった。今春の県大会1回戦(7○0焼津水産)では、6回1安打無失点と好投。「控え投手が役割をこなして、エースの負担を軽くしたい。優勝に貢献します」と宣言した。【山口昌久】

◆細窪優良(ほそくぼ・ゆら)2005年(平17)1月14日、浜松市生まれ。小4から引佐ドリームジュニアで野球を始める。引佐南部中を経て、浜松工高では1年秋からベンチ入り。右投げ右打ち。180センチ、81キロ。家族は両親と姉、妹3人、祖母。血液型O。

◆玉田伊吹(たまだ・いぶき)2004年(平16)5月5日、浜松市生まれ。兄がやっていたため、小3から浜北スピリッツで野球を始める。北浜東部中では軟式野球部に所属。将来の夢はボクサー。左投げ左打ち。176センチ、75キロ。家族は両親と兄。血液型B。

▼浜松工 1924年創部。2年連続シードの実力校。主戦・細窪の他に、タイプの異なる4投手が控える。捕手の金子は強肩。神田と鈴木の二遊間の守備は安定している。打線は、昨夏を経験した俊足巧打の平井と、高校通算24本塁打の近藤が軸。上位から下位まで、長打力が期待できる。打撃練習の時間が長く、「取られた点数は打って取り返す」が信条。甲子園は春3度、夏2度出場。98年以降は、聖地を踏んでいない。