第104回全国高校野球選手権東西東京大会(7月9日開幕)の抽選会が18日、都内で行われた。今春の都大会4強の帝京(東東京)は、2人合わせて56発の小島慎也内野手&渡辺礼内野手(ともに3年)を擁する強力打線で11年ぶりの甲子園を目指す。ブラスバンドとチアリーダーの応援も復活。狛江(西東京)は、練習中に応援歌を流すなど対策をして西東京では80年の国立以来42年ぶりの都立優勝を狙う。愛知、鹿児島でも抽選会が行われ、全国のトップを切って沖縄大会が開幕した。順調に日程を消化すれば、7月17日に沖縄で最初の代表校が決まり、31日に全代表校が出そろう。

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狛江の練習中、バックネット裏のスピーカーから流れるのは、応援曲の「サウスポー」。今夏から復活のブラスバンド応援に備えることが狙いだ。

昨夏と昨秋の都大会で都立勢唯一の8強入り。センバツの21世紀枠推薦校にも選ばれたが、制約も多い。西村昌弘監督(38)は「平日は打撃練習は全くできない」と話す。他の部活動と兼用するグラウンドは、内野と左翼付近しか使えない。平日練習は2時間ほど。それでも「強制すると選手は拒否反応を起こす」と主体性を重視。練習内容は監督が提案するが、選手同士で相談し、時間や順番を決める。週2日は休みにし、自主練習に取り組む。

コロナによる活動自粛があった期間は、土日の朝8時から40分のオンラインミーティングを実施した。食事や筋トレなど調べたことを資料にし、選手間で報告。大久保衡良(ちから)主将(3年)は「自分たちで考えないといけない分、怒鳴られるほうが楽かもしれない」と笑うが、自主性は鍛えられてきた。「目標は先輩たちを超える4強と、その先です」。西東京で都立校が甲子園に進出したのは80年の国立ただ一校だけ。私学優勢の激戦区で、42年ぶりの都立優勝を目指す。【藤塚大輔】

○…抽選を任された東海大菅生の鈴木泰成投手(3年)は、昨年12月に右肘柱頭部を手術した。リハビリを経て5月上旬に実戦復帰。手術前から球速が4キロ増の最速148キロを計測し、「今は100%に近い状態」。目標は日本一。「秋も春もチームに貢献できなかった。夏は自分が日本一に導きたい」と意気込む。