浜松商が、打撃力を生かして県頂点を目指す。主将の辻村健真(けんしん)内野手(3年)は、チームの強みについて「1番から9番まで、全員が長打を打てるようになったこと」と話した。昨夏の県大会で初戦敗退した後、就任した高岸佳宏監督(64)の指導を受け、選手らは体の使い方を基礎から改善。バランスの取り方を学び、体幹を鍛えて打撃フォームを見直し、長打力を向上させた。

4番打者の沢口志堂(しどう)捕手(3年)は、手ごたえを感じたという。練習試合の打率を、昨年3~6月の3割2分から、今年3~6月は3割8分に上げた。「以前より打球が伸びた」と明かした。もともと長打力はあったが、3年生になった今年4月以降に8本塁打を量産。高校通算は20本に達した。「今大会は5割超えの打率で貢献したい」と意気込んだ。

2020~21年の冬から外部コーチとして携わってきた指揮官は「この1年半の練習の“答え”が出始めている」と、チームの成長に目を細めた。ノーシードから1回戦に臨めば、優勝まで7連勝が必要になる。「選手らを何とか甲子園に導いてあげたい」。春8度、夏9度甲子園出場の古豪が、22年ぶりに夏の聖地を踏むため、打撃力をさらに高める。【倉橋徹也】