兵庫大会が行われ、昨夏の甲子園8強校、神戸国際大付が御影との接戦を制し、2回戦に進んだ。2点リードの8回から1年生右腕の津嘉山憲志郎投手が救援登板。2イニングを無安打5奪三振無失点で投げきり、公式戦デビューを快投で飾った。神戸高塚、星陵も初戦を突破した。

兵庫の夏は、ちむどんどん(胸がどきどき)する~。接戦を締めるマウンドに送りこまれたのは、1年生右腕だった。

帽子のツバ裏に「今日もチバルヨー! ピンチなんてなんくるないさー」の文字。「地元の言葉。よし、頑張ろう! と思える」。沖縄生まれの15歳は気持ちを高め、御影打線と向き合った。1死から失策で走者を出したが、バント狙いの1番打者は捕邪飛に。そこから4者連続三振でゲームセット。「2点も大きなリード。どんな点差でも自分の投球をしようと思っていました」と冷静だった。

美東中時代から140キロ台後半の快速球を誇った中学生の進路選びの決め手は、昨夏の甲子園大会準々決勝の近江(滋賀)戦。9回、神戸国際大付は4点差を追いついた。その裏にサヨナラ負けも、心をとらえた。「あこがれました」。

178センチ、95キロの体格だが、入学時は体重105キロ。青木尚龍監督(57)は「ご飯、ちょっと減らそう。減らして、動こう」と、10キロ近い減量に乗り出した。夏の公式戦への準備だった。津嘉山も「減量は自分のため」と応じ、沖縄から観戦に訪れた家族に勇姿を見せた。10年ぶりノーシードの夏。1年生守護神という大きな戦力が加わった。【堀まどか】

◆津嘉山憲志郎(つかやま・けんしろう)2006年(平18)7月24日、沖縄県沖縄市生まれ。5歳から野球を始める。美東小時代は「美東ドラゴンズ」に所属。美東中では軟式野球部に所属。神戸国際大付では1年夏からベンチ入り。持ち球は最速148キロの直球とフォーク、スライダー。178センチ、95キロ。右投げ右打ち。