甲子園春夏連覇を目指す大阪桐蔭が打力で快勝した。センバツ出場校の高知との一戦。3回に伊藤櫂人内野手(3年)が右翼に先制ソロ本塁打を放った。同点に追いつかれた直後の5回無死一塁で、今秋ドラフト候補の松尾汐恩捕手(3年)が左中間適時二塁打を放って勝ち越した。突き放したのは6回だ。鈴木塁内野手(3年)が左翼にアーチを架けるなど6安打を集中し、6点を奪った。先発の別所孝亮投手(3年)は6回1失点だった。

終盤、反撃に遭ったが、猛暑のなか逃げ切った。西谷浩一監督(52)は「前半に残塁が多い。ああいうところで取っていかないといけない。まだまだ勝ちきる力がない。夏(の甲子園)を勝っているときは、近畿大会も優勝している。もっともっとやらないといけない」と気を引き締めた。3安打1打点の松尾は「センバツに優勝して、どこかおごりがあったと思う。個人の『我』が出てしまっていた。俺が決めるんだ、という。つないでいくのを徹底してやらないといけない」と先を見据えた。

大阪桐蔭は3月のセンバツで優勝。春季大阪大会も制したが、春季近畿大会は決勝で智弁和歌山に敗れ、公式戦連勝が「29」で止まっていた。継投策にハマる形で打ち崩せず。課題を見つけて夏に向かっていた。この日は高知がお家芸の継投を繰り出したが、きっちり対応した。夏の大阪大会初戦は、連合チームの南・西・桜和と大手前の勝者と戦う。3度目の甲子園春夏連覇に向けて、粛々と歩を進めていく。