鹿児島大会が2日、開幕した。今春センバツ出場の第1シード大島は、プロ注目の最速146キロ左腕、大野稼頭央投手(3年)が8回5安打1失点(自責0)の好投。打っても3安打3打点の活躍で、薩南工に10-1の8回コールドで快勝した。8球団のスカウトが熱視線を送る中、離島の本格派左腕が投打に躍動した。

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鹿児島大会が2日、開幕した。今春センバツ出場の第1シード大島は、プロ注目の最速146キロ左腕、大野稼頭央投手(3年)が8回5安打1失点(自責0)の好投。打っても3安打3打点の活躍で、薩南工に10-1の8回コールドで快勝した。8球団のスカウトが熱視線を送る中、離島の本格派左腕が投打に躍動した。

プロ注目の左腕が復調をアピールした。夏の初戦で大野が8回5安打1失点、8奪三振の好投。この日最速144キロの直球に加えて、スライダーも駆使。「球数を減らすことも大事。省エネというのも意識していました」。115球を要したが、「最終回までバッターを詰まらせることができました」と球威に手応えをつかんだ。

今春のセンバツでは明秀学園日立(茨城)との1回戦で大敗。大野は8回8失点と崩れた。「甲子園に行ったという満足感に浸ってしまっていた」。代表校に選ばれた事実が、自信ではなく慢心になった。ブルペン投球など、練習に身が入らない。大野だけでなく、野手陣もノックや打撃練習を流れ作業にしていた時期があった。春季九州大会でも大野が7失点で、1回戦敗退。5月下旬のNHK杯でも初戦で鹿児島に惜敗した。「雰囲気、悪いな…」とナインは口をそろえ、今大会前に危機感からミーティングを重ねた。大野は「チームはバラバラだった。夏に向けて、3年生が1つになることができたかなと。それが今日の勝ち、得点につながったと思います」と話す。

5回に味方の失策が絡み1点を失ったが、要所を締めて自責点は0。打っては決勝の押し出し四球を選ぶなど、3安打3打点2四球で全5打席で出塁した。視察したNPB8球団のスカウトの前で、投打で躍動。「最後の夏なので、挑戦者の気持ちでやっていきます」。甲子園で成長した姿を見せるため、離島のエースが必死に腕を振る。【只松憲】

▽オリックス縞田拓弥スカウト(大島・大野の投球に)「センバツの時よりもストレートの質が上がっている。真っすぐで空振りが取れるのがすごくいい」

▽大島・西田(4番で3安打3打点)「(腰痛明けで)久しぶりの公式戦だけど、4番に座らせてもらった。その役割を果たそうと思い打席に入りました」