第104回全国高校野球選手権静岡大会の開会式が3日、草薙球場(静岡市)で行われた。コロナ禍で3年ぶりの開催となった式典には、109校107チームの選手らが参加。選手宣誓は、東海大静岡翔洋の星野優輝主将(3年)が務め、全力プレーを誓った。また新居、佐久間と3校連合チームで出場する熱海は、土石流災害からちょうど1年を迎えた地元への思いを胸に、堂々と行進した。1回戦43試合は9、10日に県内10球場で行われる。

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東海大静岡翔洋の星野主将が、コロナ禍で中止となった過去2年分の思いも込めて、言葉をつないだ。約2分。1度も声に詰まることなく言い終えると、会場からの惜しみない拍手が全身を包んだ。「少し緊張したけど、壇上では思った以上に落ち着いてできた。100点です」。開会式後は、笑顔で達成感に浸った。

先月25日の組み合わせ抽選会で、選手宣誓を務めることが決まった。「入学からコロナ禍で悔しい思いもしてきた。最後の夏を迎えられた感謝を伝えたかった」。垂水啓友部長(35)らに相談しながら、3日間かけて文章を作成。開会式直前まで何度も何度も読み返し、初の大役を全うした。

準優勝に終わった昨夏のリベンジを誓う夏が、自身の選手宣誓で幕を開けた。1回戦は10日、飛龍と対する。星野は「宣誓はやりきった。後は甲子園に向かうだけ。まずは飛龍戦を勝てるように、良い準備をしたい」と決意を新たにした。【前田和哉】

<選手宣誓全文>

宣誓、2年前、私たちは、夢と希望を胸に高校野球の世界に足を踏み入れました。しかし、入学して間もなく、コロナという大きな壁が私たちの前に立ちはだかります。満足に野球ができない、学校へ通うこともできない、先の見えない日々を強いられることになりました。あれから2年、野球ができない苦しさや悔しさを経験した私たちですが、今は大きく成長した姿で、最後の夏を迎えることができています。仲間たちと共に流した汗と涙、これまで歩んできた道は間違っていなかったと、このグラウンドで証明します。多くの方の支えがあり、野球ができていることに感謝し、1球1打に青春の思いを込めて、1人1人の希望を星につなぐために、全力でプレーすることを誓います。

令和4年7月3日、東海大学付属静岡翔洋高等学校野球部主将 星野優輝