背番号10の右腕が、投打にわたってチームをけん引した。昨秋王者の東海大相模(神奈川)は先発・庄司裕太投手(3年)が8回4安打無失点と好投。慶応を下し、準決勝に進出した。庄司は「周りの守備を信じて、自信を持って投げました」と笑顔を見せた。

自己最速を更新する145キロの直球、得意のスライダーが決まり、7奪三振。今大会、前試合までの4試合で32得点の慶応打線を封じ込んだ。大会前の練習試合では、今春センバツ王者の大阪桐蔭相手に完封勝利を収めていた。「あの試合が自信になった。真っすぐが通用するんだと」。この日も自慢の直球を投げ込んだ。

兄の背中を追って、東海大相模を選んだ。兄健太さん(24)は同校OBで在学中は投手として活躍。夏のメンバー入りはかなわなかったが、3年生だった2015年(平27)、現中日の小笠原慎之介投手を擁し甲子園優勝を達成した。祐太は「憧れました。あれを見て入ろうと」。中学受験で東海大相模に入学した。

この日スタンドで応援した兄は「(弟は)私と同じく、中等部から高校に上がった。推薦もない一般入学と同じ扱いから、メンバーを勝ち取ったということ。決して簡単ではないところから、努力ではい上がったんだと思う」と喜んだ。

祐太は、打っても先制打を含む2安打2打点と活躍した。投打に機能する背番号2桁が、東海大相模を3年ぶりの夏甲子園出場に導く。【阿部泰斉】