<高校野球大阪大会:大阪桐蔭8-0大阪電通大高>◇27日◇準々決勝◇南港中央球場

今秋ドラフト候補で最速148キロ右腕の大阪桐蔭・川原嗣貴投手(3年)が先発で4回無失点に抑え、4強進出に貢献した。

1回から全開だった。1死後、落差のあるスプリットで空振り三振。次は初球で投ゴロ。圧倒的な3者凡退だ。「初回立ち上がりが自分のキーポイント。3人でゼロでいけた」と胸を張った。今年は足をゆったりと上げて、安定感が増した。今春センバツ優勝に貢献した剛腕が存在感を発揮した。

背番号1の系譜を継ぐ。川原は憧れを「藤浪さんです」と言い切る。「投球スタイルです。ストレートで押すところ。本当のエースです」。寮のテレビでは藤浪(現阪神)が春夏連覇した12年の映像をチェック。特に夏の準々決勝から決勝まで「何度も見返した」と明かす。剛速球、野球に対する姿勢…。「自分たちは秋(明治神宮大会)も勝っている。超えたい」。秋春夏の3連覇へ。伝説の先輩の背中に追いつき、追い越す気概にあふれている。

この日、阪神は畑山アマ統括スカウトら3人が視察し、複数球団がチェックした。「負けたら終わってしまう。春の甲子園で優勝した意味もなくなる」。投手陣は30イニング連続無失点中。盤石の布陣の中心に川原がいる。【酒井俊作】

 

大阪桐蔭・西谷浩一監督(川原について)「コントロールがいいし、丁寧に投げられる。コースや高低をうまく使い、変化球と真っすぐのコンビネーションもある。しっかりゲームをつくれる」