全国高校軟式野球選手権北海道大会が29日、江別・北海道立野幌総合運動公園野球場で開幕する。5年ぶり9度目出場の函館ラサールが、初出場初優勝した91年以来31年ぶりの全道1勝を目指す。同年に全国1勝を経験した品田義雄監督(64)指揮のもと、2年生部員15人が一丸となって釧路工との初戦に臨む。

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函館ラサールが5年ぶりに全道舞台に挑む。部員15人全員が2年生だが、地区大会では函館工を11-9で下し、切符をつかんだ。4番捕手の浜屋翔伍主将は「函館工の思いも背負って、全道ではまず1勝を目標に勝ちたい」と意気込む。

絆は深い。地元函館出身者2人のほかは札幌など道内各地、青森、山形、大阪など市外から進学してきた選手が多く、寮生活で寝食をともにし結束力がある。浜屋は紋別から、投手の高田大地は神戸からやって来た。高田は「このメンバーで出られるのがうれしい。できるだけ勝ち続けたい」と気合を入れる。

浜屋の6学年上の兄昂平さん(23)は5年前に同校の主将で全道に挑んだが、登別明日中教校に0-3で初戦敗退した。浜屋は「あの時の記憶は鮮明にある。兄は1勝もできないで負けてしまった。自分たちは一生懸命やってきた成果を試合で出して1勝できたら」と兄の思いも胸にプレーする。

軟式野球部は、81年に母校に着任した品田監督の担任クラスの生徒数人が「同好会をつくりたい」と声を上げ85年に活動を開始。翌86年に正式な部に昇格した。91年に函館地区で初優勝。波に乗り全道初出場初優勝を飾り、全国では花園(京都)を下し全国1勝も挙げた。近年は一昨年に函館大有斗との連合で小樽潮陵に勝ったが、単独での全道勝利は91年を最後に遠ざかっている。「キャプテンの浜屋を中心に、なんとか」と品田監督。2年生軍団が一丸で1勝をもぎ取りにいく。【山崎純一】

◆道内の高校軟式野球事情 大会は夏の選手権と秋季大会が行われる。選手権の北海道大会は16年から登別明日中教校が3連覇。19年から北海道科学大高が2連覇、昨年は札幌山の手が初出場初優勝。全国では66年に北海が道勢初優勝。15年に北海道尚志学園(現北海道科学大高)、17年に登別明日中教校が4強進出。