日大三島が、夏は1989年以来33年ぶりとなる2季連続の甲子園出場を決めた。前任の報徳学園(兵庫)時代を含め、春夏通算20度目の切符をつかんだ永田裕治監督(58)は「たくましく、1歩ずつ着実に成長してきた選手たちに感謝の思いでいっぱいです」と目を細め、教え子の手で3度宙に舞った。

決戦前夜、指揮官は大一番で対する静清の準決勝のVTRに目を凝らした。睡眠時間は2時間。徹底的に分析した。「カウントを取りにくる球が甘くなる」。狙いを相手エースのスライダーに絞った。学校で行った決勝前の朝練習でも、マシン3台を同球種に設定して打ち込ませた。

1回2死二塁、松永陽登投手(3年)が先制の中前適時打。2回には、2死二塁から吉川京祐内野手(3年)が左越え適時三塁打で続いた。打った球はいずれも、そのスライダー。狙い通りの先制劇から11安打で8点を奪い、快勝した。

今春のセンバツでは1回戦で金光大阪に0-4で敗戦。永田監督は「(甲子園は)いくつになっても感動を覚え、奮い立つ場所。どこまで通用するかわからないけど、全員でぶつかりたい」。雪辱に燃える名将が聖地に戻る。【前田和哉】

◆日大三島 日大の付属校として1958年(昭33)創立の私立校。94年(平6)の新1年生から男女共学。03年に中学校を開校。普通科が総合進学、アスリートなど4つのコースを持つ。生徒数は1861人(女子868人)。甲子園出場は夏は2度目、春は84年と今春センバツに出場。主な卒業生は競泳の岩崎恭子、ハンマー投げの室伏重信ら。三島市文教町2の31の145。渡辺武一郎校長。

▽ヤクルト小沢(母校日大三島の甲子園出場に) 自分の時は全然、手の届かないような場所。そこに行けるのはすごいと思うので、自信を持って頑張ってもらいたいと思います。OBとしてして恥ずかしくないプレーをしたい。