第104回全国高校野球選手権大会の大会本部が6日、メールによる臨時の運営委員会を開き、新型コロナ感染拡大予防ガイドラインを一部改定したと発表した。

試合開始の72時間以内に陰性と確認された部員なら誰でも、入れ替えによって出場可能になる。これにより、出場辞退を回避できる可能性が高くなった。

オンライン会見に臨んだ朝日新聞社の山本秀明高校野球総合センター長は「広く72時間以内に陰性確認された選手は出場できるというルールになる」と説明した。

 

改定したのは「代表校の大会参加可否の判断基準」の部分で、緊急対策本部が集団感染と判断した場合について。改定前後は以下の通り。

【改定前】

・試合日程の変更で対応できる場合は当該試合の日程を変更することもある。

【改訂後追加】

・試合前の72時間以内に当該チームの登録選手ら全員の陰性が確認された場合、当該試合への出場を認める

・緊急対策本部でチームの感染拡大に歯止めがかかり、感染拡大防止措置が講じられていることを認められた場合、一部の登録選手らを入れ替えることができるものとする(入れ替えで登録される選手は試合前72時間以内に陰性の確認がとれていなければならない)

 

 

5日に新型コロナウイルスの集団感染と判断された県岐阜商は、第4日第4試合の9日に社(兵庫)と対戦予定。県岐阜商の部員は88人おり、登録の18人以外の70人がメンバー入れ替えの対象になる。主催者の日本高野連と朝日新聞社による異例の救済措置になる。 今大会の新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインを改正。これまでは緊急対策本部が「チーム内での集団感染ではなく個別の事案と判断した場合」に選手を入れ替えるなどの対応を行うと明文化されていた。集団感染でもメンバー交代を認めるよう、ガイドラインを変更した。

同校はPCR検査で全員の陰性を確認して2日に宿舎入り。暗転したのは3日深夜で、複数の体調不良者が発生し、4日にリハーサル不参加を決めた。メンバー4人と補助員3人の計7人の感染が判明していた。

鍛治舎巧監督(71)は5日の代表取材で「陽性だというのは監督の私から1人1人電話をして伝えた。すみませんでした、と涙ながらにおえつする選手ばかりで君のせいではないと伝えた」と明かしていた。

一方で「大会本部の方々にもご迷惑をおかけし申し訳ない。今後は大会本部が決めたことに粛々と従う」と話していた。