能代松陽(秋田)は現校名初勝利を逃した。13年に能代商と能代北が統合。能代商時代を含めると11年ぶり4度目となる夏の甲子園だった。打線は5回まで無安打に封じられ、投手陣は16安打を浴びて完敗。ここまで東北勢は一関学院(岩手)、八戸学院光星(青森)、鶴岡東(山形)、聖光学院(福島)が初戦を突破していたが、能代松陽の敗退で5戦5勝はならなかった。

無安打が続いていた能代松陽が意地を見せた。4点を追う6回1死、1番大高有生内野手(2年)がチーム初安打となる中前打で出塁。続く紀本知希外野手(3年)が遊撃への内野安打でつなぎ、田中元輝捕手(3年)は四球を選ぶ。

1死満塁のチャンスで奮起したのは2年生4番の斎藤舜介内野手だ。「気持ちで打った感じです」と、初球の123キロスライダーを中前にはじき返す2点適時打で2点差。しかし、7、8回の計4失点で力尽きた。「甲子園という舞台で実際に戦って、試合時間がすごく短く感じた」と振り返った。

斎藤、大高、保坂大悟内野手のスタメン野手3人、2番手で救援した最速143キロ右腕の森岡大智投手は2年生だ。新チームには甲子園経験者が多く残り、斎藤は「自分たちが引っ張って、ここに戻ってこないといけない責任を感じました」。再び聖地に帰還することを誓った。