今大会注目のスラッガー、高松商・浅野翔吾外野手(3年)が初戦から2本塁打、4打点と大爆発した。

まず5回の第3打席で、右中間最深部にソロを放り込んだ。「感触はあまり良くなかった。ライトフライが捕られて歓声が上がったと思ったが、審判が手を回していた。『上からたたけ』と言われて打ったのが結果につながった」。高校通算65本塁打としてPL学園・清原和博を抜き去った。

7回の第4打席では2打席連発、同66号となる2ランを左翼席にライナーで持っていった。「完璧でした。手応え十分」という一撃だった。阪神も今秋ドラフト上位候補に挙げる逸材は、初戦での2発に「1番打者として出塁を目指した結果が本塁打につながった」と振り返った。

死球を挟んで迎えた第6打席は左翼線への痛烈な適時二塁打を飛ばした。

4打数3安打、2本塁打、2四死球、4打点という圧倒的な内容だった。

1年ぶりに帰ってきた甲子園で「1番中堅」で先発し、初回はフルカウントから四球。3回の3打席目は滞空時間「6秒3」と高く舞い上がる三邪飛。場内の期待感が高まっていく中、第3打席以降から本領を発揮した。

浅野は甲子園デビューした昨夏の3回戦で、優勝した智弁和歌山のエース中西聖輝(現青学大)から左翼越えに本塁打を放った。今夏の香川大会では打率5割7分1厘に加え、アーチ3本。先頭打者弾2本で迎えた決勝では3ランを左中間に打ち込み、清原の記録に並んでいた。

長尾健司監督は浅野の2発について「どの大会でも一瞬にして空気と流れを変えてしまうようなバッティングをするので、あのバッティングは相手ピッチャーにはかなりこたえたんじゃないか」と話した。